@吉備津神社(きびつじんじゃ)
※本殿は残念ながら工事中で貼ってあった画像です
A広島県福山市新市町宮内400
B祭神
●主祭神
◎大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)
「桃太郎のモデル」と言われている神様。
理由は、そのものズバリ「鬼を征伐した」からです。
その昔、百済の王子「温羅」が吉備国に渡来し、地域を支配。
備中国の新山を根城にし、物資の略奪など蛮行を繰り返していました。
人々は温羅の居城を「鬼ノ城」と呼び、恐怖の日々を送るように・・・。
そこで吉備国の窮状を知った大和朝廷が、大吉備津彦命を派遣。
大吉備津彦命は見事、温羅を征伐しました。
アジトを「鬼ノ城」と呼ばれ、その傍若無人なふるまいから「鬼神」とされた温羅。
つまり大吉備津彦命の温羅退治は、「鬼退治をした」ということ。
大吉備津彦命の活躍は、いつしか「鬼を退治した桃太郎さん」として語り継がれるようになりました。
●相殿神
◎大日本根子彦太瓊命(おおやまとねこひこふとにのみこと)
第7代天皇・孝霊天皇。
主祭神・大吉備津彦命の父。
◎細比売命(くわしひめのみこと)
大日本根子彦太瓊命(孝霊天皇)の皇后。
大吉備津彦命の母。
◎稚武吉備津彦命(わかたけきびつひこのみこと)
大吉備津彦命の異母弟と言われる神様。
兄・大吉備津彦命と共に、吉備国平定に尽力したと言われている。
C開運招福・家内安全・安産・健康長寿・交通安全・学業成就・商売繁盛
D五瓜に唐花
E創建は平安時代初期の大同元年(西暦806年)。
吉備国が分割された後、備中中山吉備津神社(岡山県・吉備津神社)から分祀されたと言われています。
なお岡山県の吉備津神社は「備中一宮」。
同じく岡山県・吉備津彦神社は「備前一宮」。
広島県・福山市の吉備津神社は「備後一宮」とされています。
長い歴史のなか、消失等に見舞われることも。
1648年(慶安元年)、初代福山藩主・水野勝成が以前の規模・姿に倣い再建・造営。
現在も美しい姿を伝えつづけています。
水野勝成の功績は現在も称えられ、2019年には吉備津神社で「水野勝成入封400年記念・福山名所コンサート」を開催。
地域の人々にとって、吉備津神社の存在がいかに大きいかが伺えますね。
F吉備津神社の魅力は、まず壮麗さあふれる境内。
本殿は「国指定重要文化財」、神楽殿は「県指定重要文化財」。
◆上随神門と神楽殿◆
そして境内および周辺の山林含め、史跡指定。
神社全体が国宝級の美と雄大さを備えた、全国でも稀に見るパワースポットです。
そう聞くと、この吉備津神社、少々近寄りがたい気がしますが、地元では非常に愛される存在。
「一宮(いっきゅう)さん」の愛称で親しまれ、初詣はもちろんお宮参りや七五三でも人気を博しています。
11月に行われる市立大祭は、多くの露店が軒を連ね、武道大会や郷土芸能を披露。
毎年数万人の参拝客が押し寄せる人気行事となっています。
なお2020年の市立大祭はコロナ禍により、関係者による神事のみ。
早くコロナが収まり、吉備津神社に賑わいが戻ることを切に願います。
●吉備津神社・御朱印
●吉備津神社御朱印帳
G吉備津神社へのアクセスは、JR福塩線・新市駅から徒歩20分。
「徒歩20分」と聞くと、「バスはないのかな?」と思いますが、バスの本数は少なめ。
新市駅からタクシーを使うのが、おすすめです。
あるいは吉備津神社の場合、むしろ車で行くのが近道。
吉備津神社は駐車場が広く、200台以上収容可能。
下随神門を車で入ると左側に駐車場があります。
◆下随神門◆
大きな銀杏の木が目印。
◆御神木・大公孫樹◆
「福山の吉備津神社で、スムーズに御朱印をいただきたい」と思うなら、車で行くのが最も楽かもしれません。
吉備津神社は境内が非常に広く、社殿の間も離れているので、廻るのが大変。
参拝に向けて体力を温存するためにも、タクシーや車を使うのがおすすめです。
吉備津神社の御朱印授与時間は、8時30分〜17時。
ただ現在、新型コロナの影響で、参拝時間や御朱印授与時間を短縮させている神社が多いです。
御朱印を確実にいただきたい場合は、電話などで確認してみましょう。
さて吉備津神社に来たら、ぜひ拝みたいのが桃太郎像。
岡山の吉備津彦神社にも桃太郎像はありますが、そちらはややひょうきんな印象(漫画チックというか・・・)。
福山・吉備津神社の桃太郎像は石造りで、「真面目な好青年」という感じ。
小さな頃の桃太郎もいましたよ。
◆小さな頃の桃太郎◆
吉備津彦神社の桃太郎と、福山・吉備津神社の桃太郎、あなたはどちらが好みでしょうか。
御朱印巡りをしながら、比べてみると面白いかもしれません。
あ、そうそう吉備津神社といえば面白い行事があるんですよ!
その名も「ほら吹き神事」。
2月3日の「節分」で、地元「ほら吹き会」のメンバーが奇想天外な話を披露。
参拝客を驚かせては楽しむという、世にも珍しい「奇祭」です。
豆まきで福をいただいた後、「ほら」で笑えばもっと幸せに。
「笑う門には福来る」を体感させてくれる神社・・・それがみんなの愛する「いっきゅうさん」、福山・吉備津神社です。
◆狛犬◆